遠野市立博物館 :遠野市
2022.01.28

遠野市立博物館

遠野市立博物館では、遠野の人々の自然や暮らし、文化、歴史を「遠野物語」を軸に多彩な映像や展示で紹介しており、馬と人々の暮らしを紹介する展示も多くあります。

遠野の馬は、農耕や駄賃付け、山仕事などの労働力になったばかりでなく、馬市掫(おせり)での貴重な現金収入源としても人々の暮らしを支えてきました。
駄賃付けとは、馬に荷物を背負わせて各地へ運ぶ仕事です。遠野は海岸と内陸とを結ぶ交通の要衝であり、各地の物資とともに情報や文化が、駄賃付けによって遠野に運ばれてきました。 
馬市掫(おせり)は、毎年、秋に開かれる遠野で最大の年中行事でした。馬検場には陸軍省や農林省の購買官をはじめ全国から人々が集まりました。

展示コーナーには、駄賃付けを行う馬の模型、「遠野駄賃付け双六」や南部曲がり家で馬と暮らしてきた農村の四季のジオラマがあり、馬と暮らしてきた遠野の農村の暮らしなどを紹介しています。

また、展示品には絵馬やオシラサマなどの信仰に関するものもあり、遠野ならではの風習を伝えています。
絵馬は、生馬(いくま)を神馬(しんめ)として神に奉納したのが始まりといわれています。
馬産地遠野では良馬生産を願って奉納した馬の絵柄が多くみられ、馬に託した人々の願いがうかがわれます。
オシラサマは、柳田國男の「遠野物語」によって養蚕の始まりを伝える馬と娘の話が広く知られるようになりました。祭日には、オシラサマに新しい布を一枚着せて、豊作や家内安全を祈願するそうです。

数々の資料から、遠野の人々と馬の強い結びつきをみることができました。
(訪問日:2022年1月19日)

■遠野市立博物館
住 所:岩手県遠野市東舘町3番9号
    ※遠野市立博物館は、遠野市立図書館の3階に併設されています。
電 話:0198-62-2340
休館日:5月~10月(月末日)、11月~3月(月曜日、月末日、年末年始)
    ※月曜日が祝日及び月末日が日曜日・祝日の場合は開館
    ※資料特別整理日 11月24日~30日、1月28日~31日
入館料:個人/一般310円、高校生以下160円
団体/一般260円(1人)、高校生以下110円(1人)