パートナーとしての馬の歴史 軽米町歴史民俗資料館を訪ねて :軽米町
2021.12.02

パートナーとしての馬の歴史 軽米町歴史民俗資料館を訪ねて

軽米町歴史民俗資料館(軽米町)では、町内の馬にまつわる史料を収集しており、60点ほどの史料が常設展示として公開されています。

軽米町近辺でも、古くから馬が飼われ、人と共に生活を営んできました。
馬と人が共に生活する住居形態としては、住居がL字型の「曲り家」が有名ですが、軽米町をはじめ県北地域では、長方形の「直屋(すごや)」で馬が飼われていました。

古くから、青森県南・岩手県北地方は馬の産地として全国に知られており、「糠部の駿馬(ぬかのぶのしゅんめ)」として、武士たちが大きく関心を寄せたといわれています。
江戸時代には各戸で親1頭に仔馬が飼われているのが通常で、大きな家だと5~6頭が飼われていました。当時は寒冷な気候からコメが育ちにくかったため、雑穀のひえが主に栽培され、その実を人が主食とし、茎(稈)を馬の飼料として与えて共存していました。馬は農業と生活に欠かせない大事なパートナーとして大切に飼育されていました。
また、近代化以降はその力強い馬力をもって田畑の耕作にも使われるなど、農業が機械化される以前には大きな役割も果たしていたそうです。
馬にまつわる装具などが展示される中に、馬医書(馬にまつわる医学書)が一緒に展示されていたことからも、馬を大事にしていた当時の様子をうかがい知ることができました。

資料館ではこのほかにも、軽米町にゆかりのある名馬の紹介など、多くの史料が展示されています。
馬に関わる史料は常設で展示されていますが、冬期間は施設の訪問に予約が必要となりますので御注意ください。

(訪問日:2021年11月18日)

■軽米町歴史民俗資料館
住所:九戸郡軽米町大字軽米第9地割53-1
料金:一般150円、学生以下70円(10名以上団体割引あり)
開館日:4~11月は通常開館、12~3月(冬季)は予約開館
営業時間:9:30~16:30(入館16:00まで)
休館日:毎週月・火曜日(祝日の場合は翌平日が休館日)、年末年始
連絡先:0195-46-4232(資料館)、0195-46-4744(軽米町教育委員会)