馬が人を乗せるまで①
2020.12.10

馬が人を乗せるまで①

県内では、チャグチャグ馬コや乗馬クラブなど、馬が人を乗せている様々な場面を目にすることができます。
馬はもともとは群れを作り野生で暮らしていた動物ですが、どのようにして人に馴らすのでしょうか。

馬を人に馴らす訓練を「馴致(じゅんち)」といいます。今回は、そのポイントを紹介します。

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1 馬と人との信頼関係を築く
馬が人と一緒にいることで安心ができる関係を作ることが必要です。馴致を滞りなく進めるために最も重要なことは、馬と人との信頼関係を構築することです。

2 人が馬のリーダーになる
褒めて育てることが基本ですが、時には毅然とした態度で馬を指導することが必要です。特に牡馬は、自分がボスと勘違いする傾向があるので注意が必要です。

3 馬に経験を積ませる
馬は臆病で驚きやすい動物ですが、自分に危害が及ばないことを理解すると、多くのことに慣れる特性を持っています。馴致に必要なことは積極的に体験させ、慣れさせていくことが必要です。

4 段階的に訓練を進める
訓練は段階を踏んで進めることが必要です。人の都合で十分な時間をかけず、いくつかの段階を省略してしまうと後のトラブルのもととなり、馬と人との信頼関係に影響をおよぼすおそれがあります。

5 明確な指示を出す
馬に対しては、明るく楽しく接することが基本ですが、馬が好ましくない動きをしたときにはメリハリをつけ、短く明確な指示を出すことが必要です。

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人間にとって「良いこと」や「悪いこと」を馬に理解させるためには、声などの合図だけではなく、時には鞭などの物理的な扶助も必要です。馬が進んで行動をとれるようになるまで訓練を繰り返し、馴らしていきます。
(JRAの資料を参考にしました)

(②に続きます)