久慈平岳参拝馬行列が行われました :洋野町
2024.06.12

久慈平岳参拝馬行列が行われました

久慈平岳(くじひらだけ)は洋野町内陸部に位置し、標高706m。登山口から頂上まで約5キロ、歩いて1時間程度と老若男女がハイキングを楽しむことができ、頂上からは岩手山、八甲田連峰をはじめ、太平洋まで360度のパノラマが広がる人気のハイキングコースです。

八合目には、東北地方を中心に信仰されてきた馬の守護神である“蒼前様(そうぜんさま)”を祀る久慈平(くじひら)神社があり、6月2日(日)、神社前広場では、山の安全と人と馬の無病息災を祈願する“安全祈願祭”や、シーズンの到来を祝う“久慈平岳山開き式”が行われ、関係者とともに近隣から12頭の馬が参拝に訪れました。
また、式典のあとには、神社前から山頂広場まで参拝に訪れた馬が練り歩く、洋野の名物行事の“参拝馬登坂行列”が行われ、12頭の馬は飼い主に引かれ山頂を目指しました。

—洋野町教育委員会「洋野ヒストリア」から抜粋—-
久慈平神社は、洋野町の旧大野村と旧種市町にまたがる久慈平岳の八合目付近に鎮座している。久慈平岳は古来より修験の霊峰であり、また馬の放牧地となっており、建久四年(一一九三)に馬頭観音を祀(まつ)ったことが信仰の始まりといわれている。
九戸地方は、古くから馬産地であり源義経の愛馬の産地であるとの伝説があるが、久慈平岳にも久慈備前守が戦場馬の放牧地として馬頭観音を祀ったともいわれる。
軍馬でなくとも、昭和に入ってからも馬は貴重な労働力で、一般においても欠かせない存在であり、昭和三十年代までは、農作業が終了した農耕馬を山頂の野山で放牧していた。そのため馬の守護神であるお蒼前さまが祀られている地として、広く信仰を集めた。
<中略>
近年まで、町内外を問わず、牛馬を飼う家では、馬を牽(ひ)きつれて参拝に訪れ、昭和前期にはその参拝馬の行列が初夏の風物詩となっていた。また、境内に出店がたちならび、まさに岳のお祭りであったという。
最近では、馬を飼育する農家も少なくなってきたが、久慈平岳開きの際に愛馬会等の馬数十頭を連ね、登山行列が山開きの安全祈願とともに行われる。
(北三陸の歴史探訪~久慈・九戸地方の風土と人物~)より

※詳細については、こちらをご覧ください↓
[ID:8005] 久慈平神社 : 資料情報 | 収蔵品データベース | 洋野ヒストリア (jmapps.ne.jp)